杏仁って危険なの?

杏仁の成分って何?

杏仁の主成分はオレイン(Olein)酸を主とする脂肪油がほとんど(50%弱 )です。そのほかの成分として重要なものにアミグダリン(Amygdalin)という ものがあります。この聞きなれないアミグダリンというのはビタミンB17と いった方がわかりやすいかもしれません。

アミグダリンは、ガン予防に良いと言われています。なにやら、正常細 胞にはなんの影響も与えずに、ガン細胞だけに攻撃するとか。この辺は webで検索すると(何やら怪しげな商品の紹介も含めて)いろんな情報がでて きます。

アミグダリンの分子構造

気になるのは、アミグダリンの分解です。アミグダリンの分子構造は、 図の通りです。アミグダリンはエムルシンという酵素でグルコースとシアン 化水素、ベンズアルデヒドに分解されます。さて、ここで誰もが知っている シアン化水素がでてきました。こいつが曲者です。

さて、話を元に戻しましょう。シアン化水素(HCN)。水にとけたときのシ アン化水素水(いわゆる青酸)はあまりに有名でしょう。もっと有名なのに、 (シアン化カリウム)青酸カリがあります。さて、シアン化水素の致死量は 0.06gと言われています。杏仁豆腐をつくった場合、からだへの影響はどう なのでしょうか?

まず、一番に気になるのはエムルシンの存在でしょう。この酵素がなけ ればアミグダリンは分解されません。しかし、残念なことに杏仁にはエムル シンが含まれています。

青い梅を食べてはいけないということは聞いたことがありませんか? 実 は青梅の中には、このアミグダリンとエムルシンが含まれているのです。注 意したいのは、アミグダリンの状態(糖がついているので配糖体と言います )では、なんの影響もないわけです。webで調べてみると、砂糖(グルコース )といっしょに取れば大丈夫と書かれていますが、本当のところはどうなの でしょう? もし、これが本当なら、シロップといっしょに食べる杏仁豆腐は うまくできているものと感心せざるを得ません。

現時点で調がついたのはここまでです。時間があればもうちょっと詳し く調べてみたいと思います。

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Yukinori Maeda
$Date: 2000/06/20 13:24:52 $